何にも負けない自負心のはずの80歳でしたが、
つい、2~3ヵ月前頃から
印刷業務の時などに咳き込むことがよくあり、
そのたびごとに、
「病院へ行ってみたら!」と、周りから頻繁に言われ、
念のためにと受けたかかりつけ医の診断により、
肺炎を発症しているとのことで大きな病院に緊急入院をすることになりました。
「高齢者の肺炎」に関する情報-1
高齢者が肺炎などの感染症に罹りやすいのは、体力や免疫力が落ちているからです。 特に免疫力は60歳を過ぎると急激に低下することがわかっています。 どれくらい低下するかというと、実に20代の半分以下にまで落ち込むといわれています。 高齢になると免疫をつかさどる白血球の数が減り、活動も衰えてしまいます。
その他、沢山の情報が溢れていることに驚きです。
3週間の入院が終わって退院したのが6月末ごろで既に2週間ぐらいが経過しています。
一日も欠かさず出社していた者が3週間のほとんどをベッドで過ごすと、退院した後もなかなか体力が元には戻りません。
なので、
会社には顔を出しながら、
しばらくは慌てないで安静を保ちながら過ごしたいと考えています。
以前から気になっていたこと
会社の業務の中で、
創業者の私でなければできないことの一つに「パッド印刷業務」があります。
元々は、
メガネのまち鯖江で経験の特殊印刷業です。
その業務のうちの一つの「パッド印刷」のことです。
メガネに対する精密印刷の経験を「名入れペンネット」に生かしていました。
パッド印刷に関して、
他で出来ることのすべては自社でもできる。
他で出来ないどんなことでも自社で出来る。
その、私にしかできない技術のすべてを継ぐ者ができないことが長い間の私の悩みでした。
そんな私の思いを知ってか、
「あとは私がやる!」
と言って娘たちが手伝うことはありましたが長続きはしませんでした。
紙コップの中での調合色創り
手指に着いたインクの汚れは1~2日くらいはきれいになりません。かわいそうに…。
それも仕方がないことです。
手も衣服もインクで汚れてしまいきれいな仕事ではありませんし、
マニキュアを塗ってきれいにしている娘たちには、
とてもじゃないけど「させられない」とも思い続けてきました。
そんなある日、
後継への意欲を感じていた現社長の長女とその妹の二人に、
「お父さんの手伝いではなく、自分達でやらなければならない時の基本的なこと…」
と始めた私の話にメモを取りながらの真剣対応でした。
今になって想えば、「実に不思議なこと」
この、娘たちに初めて話したのは、
大手病院へ緊急入院の2日前のことでした。
「あの時のお父さんの説明がなかったら今まで何もできなかったと思う」と二人の娘が口を揃えていっていましたが、本当に不思議なことでした。
「生死の境…」の峠を越したころから「ビデオ通話(私にとっと初めての)」を通じたやりとりでの見事なパッド印刷の仕上がりです。
「誰にも負けない器用さは私譲り?」であることは以前から思ってはいましたが…。
退院してから体力も徐々に戻ってきた今頃、
1本1本を丁寧に名入れ印刷途中の真剣な眼差し
見事な仕上がりの個別名入れペン数本
調合色を使って同一印刷名入れペン
サングラスのテンプルに印刷の型(下)と緑系パッド(上)お見せ出来ませんが仕上がりは上々でした。
サングラスレンズに印刷 できたことが不思議な上等仕上げ
上等仕上げの同一印刷名入れペン
当たり前のようにパッド印刷で名入れペン印刷をする娘たちの姿を見ていて、
浦島太郎みたいに現実に戻ってきて様変わりの様子に不思議さも感じています。
「あとはお父さんがやる…」と言っても、
「今のうちにしっかりと身に着けないので…」といって代わってもくれません。
雨降って地固まる
雨が降った後は、地面が雨を吸収してかえって地面が固くなるといいます。 「雨降って地固まる」は、
悪いと思ったことでも、いざ終えてみると、かえって良い結果になることを意味する「ことわざ」です。
80歳にもなって得た経験によって、
私の大きな心配事が消えました。
あとは、
名入れペンネットサイトの安定基盤構築のために全力奮闘あるのみです。
すべてはお客様のためであり、
すべてはお客様のおかげと感謝しています。
いつもありがとうございます。