書いて消せるボールペンの代名詞ともいえる「フリクション」。2015年にはグッドデザイン金賞も受賞しています。他にもいくつかのメーカーで書いて消せるペンはあるのですが、知名度はPILOTのフリクションが群を抜いています。ペンの種類もカラバリも豊富なのも魅力ですよね。全色欲しくなります!
そして普通のボールペンだけでなく、フリクションは1本あるととても重宝するため、名入れをしてノベルティ配布するのにとても人気なんです。
なぜ水性ペンのインクが消しゴムで消えるのか、「書き損じたら終わり」だった不便さが解消されて爆発的に人気になったフリクションの魅力と人気ランキング、そして注意事項や替え芯情報もお伝えします。
フリクションボールペンはなぜこすったら消えるのか
ご存知の方も多いかもしれませんが、実はこすっても厳密には消えてはいないのです。「え?」って思われました?
これは消えるというよりも、ラバーでこする摩擦熱によってインキが「透明」になるんです。フリクションインキは、常温だと発色剤と発色させる成分がくっついて発色するのですが、60℃以上の熱が加わるとこのふたつの成分が解離して透明になる、という仕組みです。
3種類のマイクロカプセル
A. 発色剤
B. 発色させる成分
C. 変色温度調整剤
【常温時】AとBが結合して発色する
【60度以上】Cが働いて、AとBの結合を妨げ、AとBが解離することで色が透明になる
説明するのは簡単ですが、開発者さん達ってつくづくすごいなぁと思います。当たり前ですがわたしには思いつきもしません。笑
こすっても消しカスがでない
消しゴムは消しカスが出ますよね。子供のころから消しカスの掃除には苦戦されてきた方も多いのではないでしょうか。そんなプチストレスがこのフリクションにはありません。理由は前述の通り、消すわけではなく、こする摩擦熱によって透明になるからなんです。よくできてますよね。「消したらゴミが出る」という当たり前の面倒さがないのがうれしいポイントです。
消えるフリクションだからこそ気を付けること
熱で透明になるフリクションインキには、実は気を付けないといけないことがいくつかあります。知らずに後悔することのないよう、注意点をいくつかご紹介します。
証書類・宛名など消えてはいけないものには使用しない
フリクションインキは温度によって透明になる性質を持っているので、公文書や履歴書、郵便物のあて名など、文字が消えてはいけないものには使用しないでください。また、改ざんの危険もありますので注意が必要な書類もあります。大切な書類には油性ボールペンを使用するのが安心ですね。
それに意外と落とし穴なのが日記や手帳です。フリクションにはいろんな色があるので、可愛く日記をつづったり、変更がありがちな予定をスケジュール帳に記入するのに使ったりと重宝するのですが、長期間保存する場合には温度に気を付けてくださいね。高温にならなければ他の水性ボールペンと同じくらいの耐久性はあります。
フリクションペンは高温になる場所に置かない
フリクションで書いた書類を車の中に入れて置いたら消えていた!!ということはありませんか?実は書いたものだけでなく、フリクションボールペンの中に入っているインキも透明になってしまうのです。
直射日光にさらされるダッシュボード付近は、真夏日には70℃くらいになるそうです。フリクションは、60度以上の環境下では筆跡が無色になります。
車の他にも、直射日光が当たる場所、熱を発する機械の近くだけでなく、熱いお湯などが入ったカップのそばなどでも高温になり筆跡が無色になったり薄くなることがあるとのことですのでご注意を。
フリクションで書く紙の種類にも注意を
消去用ラバーで擦るため、感熱紙には不向きです。こすった熱で真っ黒になってしまいます。他には目の粗い紙や和紙なども、紙の表面を傷めてしまう可能性があります。わたしも雑誌のパズルにフリクションを使ったことがあるのですが、消せるどころか紙がボロボロになってしまい、印刷されていた枠まで消えてしまいました!コピー用紙などなら問題ないのですが、表面がざらざらした紙には使わないでくださいね。
書いた文字を消すのは筆跡が乾いてから
筆記してからすぐですと、インクが乾いていないことがあります。乾いていない時にこすると、紙が汚れてしまって消えにくくなることがあります。
フリクションペンで書いた文字がうっかり消えてしまったときの対処法
フリクションインキは60℃以上で無色になるとご説明しましたが、逆にマイナス20℃前後になると完全に色が戻るという性質があります。調べてみるまで知らなかったので驚きました!
消えてしまったフリクションで書いた紙を水滴で濡れないようにチャック付きジッパーバッグやビニール袋で密封して、冷凍庫に一晩以上入れてみてください。
今日はちょうど36℃を超える真夏日でしたので、さっそく実験してみました。
▼フリクションボールペンで書いた紙を車のダッシュボードの上へ。
なんと夕方にもかかわらず1時間ほど放置しただけで消えていました!ということは車内の温度が60℃を超えていたんですね。ひぃ。
▼そしてジッパーバッグに入れて冷凍庫へ。
▼翌朝見てみると…?
キレイに戻ってました!!とはいえ今回は実験だったので高温にさらされたのも短時間でしたし、条件が違えば効果も変わってくると思います。
▼実は…
冷凍庫に入れた約30分後に見てみると、ちょっとだけ色が薄かったけどほとんど復活していたんです。
この冷凍庫で冷やす復活方法は、こすって消した場合や、極端な高温(ライターであぶって消した場合も良くないと思います)で消えたインキは成分そのものが破壊されている可能性があり、戻らないこともあるそうです。
また、インク復活には市販のコールドスプレーでも効果があるそうです。とにかくマイナス20℃まで冷やすことで確実に色が戻るという保証はないのですが、試す価値あり!です。むかしよく遊んだ「あぶりだし」のような感覚で、子供たちとの宝探しゲームとかにも…使えますかね?
余談ですが、「フリクション」の文字のところ、書き損じをしたんです。無意識に消していたので気づかなかったのですが、復活テストをしたら一緒に色が戻ってしまいました。よく考えたら当たり前のことですが、一度書いて消すと、その上に書いたものと重なって戻ることをご留意ください。
フリクションボールペンのインクが出なくなったときの対処法
インクが残っているのに書けなくなってしまったときは、水で濡らしたティッシュの上でペン先を転がしてみてください。フリクションペンは水性ですので、筆記時にインクを水で溶かし、書けるようになる性質を持っています。乾燥などが原因でこの水分が抜けてしまってインクが固まっている状態になっていることがほとんどです。水性ペンはだいたいキャップが付いていますよね。フリクションは比較的キャップがないペンが多いので起きやすい現象のようです。ノック式ボールペンは便利ですが、水性ですと起きがちな問題ですね。
ちなみに、インクが出ない時にライターであぶったりドライヤーの熱風をあてたり、ということが思い浮かびますが、これは油性ボールペンに有効であって、フリクションにはやってはいけないのでご注意くださいね。前項目の「高温によってインクが透明になってしまう」ためです。
フリクションボールペンは替えゴムもあります
長く使っていると替えゴムが破損したり、汚れたりすることもあります。いつでもキレイなオフィスでゆったりと筆記、という訳にはいきませんよね。ちなみに替えゴムと書きましたが、フリクションで書いた文字を消すゴムの部分は、正式には「消去用ラバー」といいます。もしかしたらお近くの文具店やホームセンターには売っていないかもしれません。うちの近所の文具屋さんには残念ながらありませんでした。ロフトやヨドバシカメラなどでは販売しているそうですが、ネット通販サイトでのご購入が確実です。ただし、消去用ラバーは税込110円〜250円ほどなので、送料の方が高くつく可能性もあります。
そして、すべてのフリクションボールペンに替えの消去用ラバーがあるわけではないんです。
替えゴムがあるのは一部の3色ボールペンと4色ボールペンのみ
インクの替え芯はどのフリクションペンにもあるのですが、消去用ラバー(替えのゴム)はすべてには対応していないのでご注意ください。3色ボールペンと4色ボールペンにのみ替えゴムがあります。品質の高いボールペンですので、パーツの交換やリフィルの交換だけで済むなら、環境にも配慮して長い間使っていただきたいと思っています。
人気の名入れフリクションボールペンランキング
フリクションの名入れボールペンは、企業説明会やセミナー参加の粗品としてや、学校の卒業記念品などに多く選ばれる人気商品です。自分では買わないかな、と思っていてももらえると嬉しいものですよね。喜ばれる記念品は、その企業や学校へのいいイメージがいつまでも残りますから、良いものを選んでいただきたいです。
学校・法人向け名入れボールペン:50本から
中学校、高校の卒業記念品のほか、大学ですとサークルや学祭などイベントの記念品としてよく選ばれています。3色や4色の多色ボールペンや、明るい色が大人気です。
個人向け名入れボールペン:1本から
就職祝いや転職祝い、入学祝いなどに個人名を印刷して贈ると喜ばれるラインナップです。
まとめ
書いて消せる、夢のようなボールペン「フリクション」はカラーバリエーションも豊富で仕事もはかどります。高温になると透明になるインクなので、公的な書類には不向きですが、変更がありがちなスケジュール帳用や勉強用に大活躍するボールペンです。1本あると便利に使えますので、社名や学校名を入れた記念品や、個人名を入れたプレゼントとして、とても人気なんです。替え芯や替えゴムもあるので、長く使ってもらえますよ!
▼すべてのフリクション商品ページは【こちら】
【おまけ】単色フリクションボールの芯の出し方とリフィル交換方法
みなさんは問題なく使えていらっしゃるとは思うのですが、わたしは初めてフリクションボールを使った時にノックしようとして、一般的なボールペンと同様に、消しゴムの部分を押してしまいました。笑
そこでしばらくどうやって芯を出したらいいんだろうと考えてしまったので、もし同じお気持ちの方がいらしたら読んでください^^
▼画像を見てもらえばすぐ分かりますが、クリップ部分をスライドさせるんです。デザイン的に完成されていて、「まさかクリップが動くとは!」と驚きました。芯を収納するときも同じ動作で引っ込みます。
そして替え芯(リフィル)交換はグリップの上あたりで分解できますので左回ししてみてください。リフィルにはフリクションのロゴとボール径が箔押しされていて何気にオシャレ!
パイロットさんのホームページでフリクションのリフィルの替え方や、くわしい使い方などが動画で見れます。
フリクションシリーズ | パイロット製品の使い方 | PILOT
個人向けプレゼントに、仲良しグループでのおそろいアイテムに、学校や企業の記念品や粗品などに、お気に入りの1本を見つけていただけたらうれしいです。